Author: Janto McMullin

  • 付録9: 早産児の在宅移行のための計画/準備

    両親と一緒に作成した、転院の際の児のケアについての個別サマリー例

    例1) マイユ、2012年2月14日

    私の名前はマイユ(Maiju)です。小さい女の子です。今はまだ生まれてから2か月過ぎです。在胎27週0日で生まれ、体重は490gでしたが、今は1500g弱になりました。かなり長い期間生命維持装置が必要であったりするなど、最初の数週間は大変でした。今ではHFNCを使えば自分で呼吸ができますが、まだ呼吸は苦しく、呼吸するのにかなりの労力とエネルギーを必要とし、酸素も余分に必要です。短時間のケアであれば、酸素マスクやカヌラ、あるいは何のサポートなしでも大丈夫です。体を撫でてもらうのが好きです。気道吸引はもう頻繁には必要ありません。

    未だに栄養の多くはチューブからもらっていますが、既に何度かは経口摂取も練習しました。おなかにガスが溜まりやすいので、栄養前に経鼻胃管から引けるだけガスを引くことが大事です。おなかが張りやすく、寝るときはおなかを下にしてください(腹臥位)。手を動かすのが好きなので、あまりきつく包むことはやめてください。私は頑固で闘争心が強いです。体は小さいかもしれませんが、元気いっぱいです!

    こんなケアの方法が好きです

    • カンガルーケアが好きで、ほとんど毎日やってもらっていました!
    • 音楽を聴くと落ち着きます
    • お世話をするときやその他どんな時でも、話しかけてくれることが好きです
    • 何か嫌なことがあったり、不快な治療を受ける必要があったりする時、くるまれて抱っこされると落ち着きます
    • 手に届く場所にあるものなら何でも掴むのが好きです。コードやワイヤーなどが良いです
    • 手に何も持っていないのも好きで、よく顔の近くに手を持っていきます
    • おしゃぶりはとても大事です。栄養と一緒に口にミルクを何滴か垂らして味わえると良いですね

    例2) ニコ、2012年1月3日

    私はニコ(Niko)です。小さくてかわいい男の子です。2012年1月3日に、在胎26週6日で生まれました。それから1か月以上経ち、体重は約1.5kgになりました。最初の3週間は生命維持装置が必要でしたが、今では酸素の追加投与なくCPAPやHFNCのみで過ごせています。ケアの時には、短時間であれば酸素マスクかそれすらも無しで過ごすことができます。ぽんぽん叩いてあやされるのが好きです。吸引は好きではなく、ケア毎に毎回やる必要はありません。栄養にはまだチューブが必要ですが、おっぱいをくわえて少し味わうこともあります。時々、口の中に数滴の母乳を垂らしてくれることもあります。おしゃぶりはとても好きです。よくしゃっくりします。

    ケアのとき、裸になったり体を洗ったりおむつ交換したりされることがとても嫌いです。寒いのが苦手なので、素早く服を着させてください。まぶしい光は嫌いです。起きている時には、私は鋭い観察力を持ち、また根性もあります。自分の意思がありますが、また同時にすぐに落ち着くこともできます。眠る時間になれば、落ち着いて安らかに眠ることができます。

    こんなケアの方法が好きです

    • カンガルーケア。お父さんお母さんが毎日来てやってくれます
    • 手でしっかりと抱かれること。嫌な処置がある時には、手を頭に乗せてくれると落ち着くことがあります
    • 髪をとかしてくれるのがとても好きです
    • 時には顔に手を近づけて、そこで保持することができます
    • 例えばおむつ交換の時などに、話しかけてくれるのを聞くのが好きです
    • あらゆるコードやワイヤーを掴むのがとても好きです。お父さんお母さんの指を握るのも好きです。あやしグッズを隣に置いておいてくれると嬉しいです
    • おしゃぶりが大好きです。栄養と一緒に数滴のミルクを味わうのも好きです
  • 付録10: 小児科医のための家族中心のアプローチの方法

    フィンランドのトゥルク大学病院の方針

    出生前

    • 小児科/新生児科医による出生前相談
    • 家族の疑問に沿って
    • CLIP面接の要素を思い出しながら
    • 両親の存在や参加が赤ちゃんの治療の不可欠であることを伝える
    • 両親がケアや意思決定に参加する可能性があることを伝える
    • 医師の回診が情報共有という点でとても大切で、可能な時はいつでも参加してほしいことを伝える
    • 母乳の大切さを伝える
    • NICUの事前の見学

    出生後

    • 分娩室からNICUに赤ちゃんを運んでくる際に、父も一緒に来てもらう
    • 小児科医は、新生児の状態が安定したらできるだけすぐに、写真を持って母へ会いに行く
    • 遅くとも分娩後2時間以内に

    日々の回診

    • 両親に最初に、赤ちゃんの様子を語ってもらう。詳細な報告や児について気になることをよく聞く
    • 児の様子をもとに個別に問題を解決する
    • できるだけ早くカンガルーケアできるよう、両親を促す。同時に、カンガルーケアについての希望も聞く
    • 家族が希望する場合には、医療処置への家族の参加を個別に決定する。例えば酸素投与量の調整、アラームに関する知識、気道吸引など。医師、担当看護師、家族の間で、書面による同意を交わしておく
    • 医療処置の際に家族が同席することを許可する。例えば手で包み込んで児の疼痛緩和に協力できる

    毎週の面談

    • 両親の質問内容に基づいて
    • CLIP面接の要素を思い出しながら

    在宅移行前に

    • 長期入院児や早産児の場合、在宅移行の約5-7日前に医療サマリーを家族に渡して目を通してもらう
    • 入院の最後の1週間の間に最後の面談を行い、そこで医療サマリーに一緒に目を通す

    両親の意向を踏まえた在宅移行

    • 在宅移行のために両親に何が必要でどの順番で進めていくかを、両親と一緒に考える
      • 教えてもらうべき事項 (自宅での内服、栄養方法)
      • 外来のフォローアップ受診
      • 在宅移行前に外来の保健師がNICUの家族を訪問
      • 在宅移行前に病棟内で児と一緒に1-2晩過ごす
      • 外出や外泊を行う
      • 場合によっては多職種カンファランス
  • 付録11: グループでの振り返りの指揮、ガイドライン:

    振り返りは、関係性に基づいた指導方法です。これは、乳児のメンタルヘルス、早期幼児サービス、そして家族支援で有効な方法です。これらの分野では、両親や同僚との関係性を築くことが、支援や治療介入を行うにあたり重要です。両親との関係性の構築のために重要な要素は傾聴や受容であり、これらは信頼性を築くため基礎となります。メンティー(受講生)が自分の意見を聞いたり尊重したりしてもらえることで、彼らは逆に両親や同僚のことをよく傾聴できるようになります。またこのトレーニングモデルでは、メンターに傾聴され受容されることで、メンティーが仕事の中で家族と使えるモデルや核となる経験を得ることができます。

    グループで振り返りを行う意義:

    グループでの振り返りは頻繁に行ってください。病棟の大きさによって、開催方法は開放グループでも閉鎖グループでも構いません。開放グループとは集まる度にグループメンバーが変わることで、例えば仕事のシフトに合わせたメンバーにするなどです。この場合、それぞれの参加者がどれぐらいの頻度で振り返りに参加できるかを追跡しておくことが大切です。閉鎖グループとは常に同じメンバーがグループに参加することです。毎回同じメンターがグループの指揮を執ることになり、きちんと履修が進む可能性が高まります。しかし、開放グループでは、新しい考えに触れる機会が多いなどの利点もあります。

    メンターは、グループの器となり互いに尊重し合う雰囲気を作ることで、振り返りセッションを和やかにします。提起されたあらゆる問題は、その人の意見を尊重しNICUでの仕事に敬意を持ちながら議論されます。和やかな雰囲気であれば、考えや気持ち、悩みや懸念を表明しやすくなるでしょう。解決策や新しい視点は、常に一緒に検討しましょう。新しい考えをすぐに拒否するのではなく、ともに考えようとする姿勢が大切です。このトレーニングモデルは、メンティーにすべきことを指示するものではありません。メンターや他の同僚とともに一緒に考えたり疑問に思ったりする場を提供することが目的です。このようにして、全てのメンティーが自分の経験や知識、直感を病棟のケアに生かしていきます。一貫してこのようにやることで、振り返りやその安心できる雰囲気がNICUのケアにおける新しい発想や戦略、実践方法を生み出すかもしれません。

    メンターの振り返りにおける役割とは、メンティーがどれだけ自分の視点や両親、赤ちゃん、同僚の視点を通じてろ過されているかを理解するのを助けることです。振り返りの目的の一つは、自分の内的反応やまだ気づいていない経験について意識的になることです。他にも、ある人の視点を他人が理解することが難しい、ということを学ぶことも大切です。自分が本当に言いたいことを誰かが理解してくれようとしていることが、どういう風に感じられるかをメンティーに体験してもらうための手法として、メンティーの言ったことをメンターが自身の言葉で繰り返すやり方があります。

    Close Collaboration with Parentsトレーニングの振り返りで重視しているのは、トレーニング中に実際にあった出来事から生まれた考え、気持ち、そして疑問です。このためには、一般論ではなく、トレーニング中の具体的な場面を取り上げてもらうようメンティーに伝えます。例えばメンターは、メンティーがある赤ちゃんや家族を相手にした個別のケアについて話す際に、その場面の全ての物語を話してもらえるよう促します。これは物語テクニックと呼ばれ、メンティーが自分の視点から経験について考えるのを助けます。加えて、管理者は受講生が異なる3つの視点(自身、赤ちゃん、両親)から自身の経験を考えることも促します。自分自身と赤ちゃんと両親の三方向から物事を考えることは、日々の仕事の中での両親や赤ちゃんとの関わりにおいて役に立つでしょう。

    メンターのガイドライン:

    • メンターに求められていることは、トレーニングのプロトコルを理解し、トレーニングの入門講義に参加し、トレーニングのテープを見直し、トレーニングマニュアルを読んでいることが望まれます。
    • トレーニングは各Phaseに沿って行われ、それぞれのPhaseの参加者がトレーニング内容を振り返ることができます。
    • トレーニングでは、個人やグループ単位での新たな発見を手助けすることを目指しています。
    • メンターは、メンティーの仕事における責任や経験を尊重しながら、ともに学んでいきます。
    • トレーニングで話し合った内容はすべて、敬意を持って扱われ、グループ外への公表は慎重に行われます。
    • トレーニングのグループは、全員が議論に参加できる適切な大きさにすべきです(最大10名が推奨)
    • メンターは振り返りセッション前に、家族とトレーニングの内容を共有する準備をメンティーに促しても良いでしょう。
    • メンティーが振り返りやトレーニングのストーリーを語るのを促すために、メンターは興味を持って、相手を尊重するような質問を使ってみると良いでしょう。(例えば:その時の様子をもっと詳しく教えてもらえますか?どう始まったのでしょう?それから何が起きましたか?あなたが最も大変だった状況はどんな時でしたか?)
    • メンターは受講生の振り返りを促す際に、「三方向からの振り返りテクニック」を用いると良いでしょう。あらゆる出来事は、自分自身・両親・赤ちゃんの3つの異なる視点から振り返ることができます。
    • メンターは、新しいやり方を受け入れるペースが、メンティーによって異なることを認識してください。
  • Neonatologists can impede or support parents’ participation in decisionmaking during medical rounds in neonatal intensive care units

    Aim: We explored the dynamics of neonatologist–parent communication and decisionmaking during medical rounds in a level three neonatal intensive care unit.

    Methods: This was a qualitative study, with an ethnographic approach, that was conducted at Turku University Hospital, Finland, from 2013 to 2014. We recruited eight mothers and seven couples, their 11 singletons and four sets of twins and two neonatologists and observed and video recorded 15 medical rounds. The infants were born at 23 + 5 to 40 + 1 weeks, and the parents were aged 24–47. The neonatologists and parents were interviewed separately after the rounds.

    Results: Four patterns of interaction emerged. The collaborative pattern was most consistent, with the ideal of shared decision-making, as the parents’ preferences were genuinely and visibly integrated into the treatment decisions. In the neonatologist-led
    interactional pattern, the decision-making process was only somewhat inclusive of the parents’ observations and preferences. The remaining two patterns, emergency and disconnected, were characterised by a paternalistic decision-making model where the parents’ observations and preferences had minimal to no influence on the communication or decision-making.

    Conclusion: The neonatologists played a central role in facilitating parental participation and their interaction during medical rounds were characterised by the level of parent participation in decision-making.

    Download the full paper (PDF)

  • Parent-staff communication and decision-making in medical rounds

    Video lecture by Anna Axelin on shared decision making.